忘れたいこと、ありますか
忘れたいこと1つだけ、
きれいさっぱり記憶から消してあげますよ
と言われたら私は何を選ぶのだろうか
あのときの父親のきつい一言か
どうにもうまく出来なかったあの瞬間か
好きだった彼との幸せな気持ちか
どれを消したら私はいま最高にしあわせになれるのだろう
いまよりもっと楽しい気持ちで生きられるのだろう
私たちは常に記憶という記録をつくりながら生きていて
そりゃ毎日生きていれば
大変なことも痛いこともあるし、面白いことも楽しいこともある。ラッキーなこともあれば超不運なこともあって、理不尽さとか退屈とか、どうにもならないことにもどかしくなったりもする。
これらは連続的につながってどんどんやってくる、よくも悪くも休む間も無く目白押しである。
だからなのだろうか、
つらいきもちはなんだかいつも
しあわせなきもちと紙一重で
つらいきもちを記憶から消されることで
そのときのしあわせなきもちも忘れてしまうくらいなら
なにも忘れなくてもいいかな
とも思う
思い出してはつらくなる引き金となったとしても
一生懸命にしあわせだった自分に申し訳ないし。
忘れたいこと、忘れられたら楽だけど
なにも忘れられなくても、まあいいのかな、
つらくてかなしくて、だから十分しあわせなのかな
たぶん。